保護者の皆様にも、心よりお祝い申し上げます。

9月卒業式は、本來であれば、この中央講堂において式典を予定しておりました。しかし未だ緊急事態宣言が解除されないために、皆様の健康と安全を配慮しまして、殘念ながら今年はライブ配信とさせていただくことになりました。ご理解とご協力をいただけましたら幸いでございます。

202109gakucho各務 洋子 學長

9月卒業という制度は、就職活動の通年採用と同様に、世界ではむしろ主流です。本日卒業を迎える皆さんは、駒澤大學の各學部で努力をされた成果として「學位」を取得されました。長い道のりだったかもしれません。しかし、皆さんの今後の人生を支える基盤となることと確信しています。

最終學年であったこの1年半あまり、これまでに経験したことのない日々が続きました。駒澤大學の學生だけでなく、日本中、世界中の大學生、大學院生がオンラインで授業を受け、ゼミやサークルの合宿は中止となり、実験実習やフィールドワーク、留學やインターンシップも充分に體験できず、就職活動や進學の準備もまた困難を極めました。教員や友人と、直接交流したり、意見交換する機會さえほとんど作ることができないまま、卒業、あるいは修了していかなければなりません。大変殘念な気持ちです。しかし、困難を極め、苦しかった経験は、考え方次第で、これからの人生の中で大きな糧になるでしょう。皆さんは、世界中の學生がコロナ禍を通して感じたこと、あるいは発見したことを共有し、共感し、ともに新しい未來を創造して欲しいと願っています。

卒業生の皆さんの將來を展望するにあたり、現在の世界及び日本を見渡せば、その向かうべき方向性が見えてまいります。今回のコロナ禍でも露呈しましたが、殘念ながら今の日本は先進國の中で遅れをとってしまった分野があります。

1つは、「デジタル化」です。新型コロナ感染癥対応では、日本のデジタル化の遅れ振りが浮き彫りになりました。行政やビジネスの現場まで、デジタル対応の遅れから混亂を來すニュースが後を絶ちませんでした。學校のデジタル化において、日本はOECD(経済協力開発機構)加盟國37か國の中で最下位でした。いま、デジタル革命を背景とする新しい社會の到來に、日本が如何に対応し、世界に貢獻できるのかが問われています。大學で専門とした學問が何であろうとも、これから社會に出る皆さんにとって、「デジタル技術」は、生きていく上で必須の「手段」です。この手段を使った変革のスピードは創造しているよりもはるかに速いと言われます。

もう1つは、「ダイバーシティ」(多様性)の尊重です。毎年、世界経済フォーラムが世界各國の男女平等の度合いを示す「ジェンダーギャップ指數」を発表していますが、今年の日本は、156か國中120位でした。管理職の女性比率139位。國會議員の女性比率140位と、芳しくない數字が並びます。ダイバーシティ(多様性)とはそもそもジェンダーという屬性だけではありません。「目に見えやすい多様性」として性別、人種、年齢、身體的な障害などがあります。また「目に見えにくい多様性」として、國籍、出身地、貧困、家族構成、性的指向、さらには価値観といった考え方まで、多岐にわたります。ジェンダーギャップ指數は、多様性の中で最もわかりやすい屬性ですが、そのわかりやすい項目が先進國の中で最下位であることを、皆さんは常に頭に置いていただきたい。

そういう意味でも、今夏の「東京2020オリンピック?パラリンピック競技大會」は、「記憶に殘る」大會でした。ダイバーシティ政策の柱として「誰もがやさしさを感じられるまち」「誰もがスポーツに親しめる社會」の実現に向けて一歩、歩みを進めることができたと言えるでしょう。本學が掲げるダイバーシティ(多様性)の尊重による「個を活かす」大學は、SDGs(持続的な開発目標)の達成や、共生社會の実現につながり、グローバル社會で生きていく上での不可欠な取り組みです。社會に旅立つ卒業生の皆さんは、「デジタル化の推進」と「ダイバーシティの尊重」という社會課題を常に意識して、皆さんそれぞれが活躍される分野でどうか深く掘り下げてください。

駒澤大學の根幹をなす仏教のもつ"智慧と慈悲"の精神は、コロナ禍で疲弊した我々の心のまさに"よりどころ"となります。ここに駒澤大學の存在意義があることを再確認したいと思います。駒澤大學の學生生活を通して、卒業生の皆様の心にはその精神が無意識のうちに根付いているのではないかと思います。

世の中はますます変化の激しい時代を迎えます。將來の予測が困難な狀況を示す「VUCA」(ブーカ)という造語を頻繁に目にするようになりました。「VUCA」とは、「動的で複雑、不確実で曖昧」という意味を表す造語です。Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字を繋ぎ合わせています。

駒澤大學を卒業される皆さんは、このVUCAの時代を力強く生きる「"智慧と慈悲"の精神」をもち、「しなやかな、意思。」を身に付けています。自信をもって大海に乗り出してください。

迷った時には、大學時代の友人やゼミなどでお世話になった先生を思い出し、連絡してはいかがでしょうか。駒澤大學は日本各地に同窓會支部があり、皆さんをいつでもサポートしています。世界各國にも同窓會が立ち上がり始めました。海外に出る皆さんの力になります。厳しい時代だからこそ協力しあうことが必要です。コロナ禍を経て図らずも身に著いたオンラインという道具を使って、駒澤大學の中にも外にも、皆さんが頼りに出來る場を構築したいと思っています。

皆さんも是非、そのネットワークを作る力になってください。そして一緒に未來の社會を作りましょう。身近な問題から世界の問題に至るまで、これからも是非協力しあいましょう。

改めまして、お祝い申し上げます。
ご卒業おめでとうございました。

以上をもちまして私の式辭といたします。

令和3年9月18日

駒澤大學學長
各務 洋子


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